
米国がSection 232を再調整(6/8発効)──課税が『金属分のみ』→『製品の全額』に拡大、一方で農機・エアコン等は上限15%に減税(日本は上限15%)
アメリカの金属関税が、計算の土台から変わった。米政権は2026年6月1日の布告で、鉄鋼・アルミ・銅にかかるSection 232を再調整し、6月8日から発効した。最大の変更は課税ベースだ。これまで多くの派生品は「製品に含まれる金属の価額分」だけに課税されていたが、今後は「製品の全額(full customs value)」に課税される。一方で農業機械・住宅用エアコン(HVAC)・可搬式産業機械などは暫定的に上限15%へ引き下げられた。日本発の貨物は日米枠組みにより上限15%で頭打ちとなる点も重要だ。
何が変わった?──2つの大きな変更
2026年6月1日の布告(6月8日発効)には、輸入者に直結する変更が2つあります。
①課税ベースが「金属分のみ」→「製品の全額」へ。これまで多くの派生品は製品に含まれる鉄鋼/アルミ/銅の価額分だけに232がかかっていました。6月8日以降は、鉄鋼・アルミ・銅とその派生品は製品の全額(full customs value)に課税されます。つまり「金属価額を分けて申告して安く」という方法は使えなくなり、多くの派生品で実質負担が増えます。
②一部カテゴリは上限15%に減税。農業機械(コンバイン・収穫機等)・住宅用HVAC(エアコン・空調)機器・可搬式の産業機械などが、暫定的に上限15%の派生品カテゴリに加えられました(従来の25%から引下げ)。通常の鉄鋼・アルミ・銅および主要派生品の基本税率は50%(一部の銅・派生品は25%)のままです。
日本発は『上限15%』──50%との差
米国の232基本税率は鉄鋼・アルミ・銅で50%ですが、日米の枠組み合意により、日本を原産とする金属・派生製品は合計15%を上限に頭打ちとなります(2026年6月8日〜2027年12月31日)。ただし課税ベースは製品の全額に変わったため、「15%」も製品全額に対してかかる点に注意してください。同じ品目でも、原産地が日本なら上限15%、他国なら最大50%という差が出ます。
だからこそ原産地の証明が、そのまま関税額を左右します。対象HTSの確認・原産地書類の整備・通関はSLC(発送代行)で対応できます。
今回いちばん効くのは『課税ベースの変更』。これまで多くの派生品は“製品に含まれる金属の価額分”だけに232が乗っていましたが、6/8以降は鉄鋼/アルミ/銅とその派生品は『製品の全額(full customs value)』に課税されます。つまり“金属分だけ分けて申告して安く”はもう使えません。逆に農業機械・住宅用エアコン(HVAC)・可搬式産業機械などは暫定で上限15%に下がったので、自社HTSがどちらに当たるかの確認が要点です。
よくある質問
- 232の全額課税:6/8以降、派生品も金属分でなく製品の全額に課税。
- 暫定15%カテゴリ:農機・HVAC・可搬式産業機械等。25%から上限15%に減税(2027末まで)。
- 原産地証明:日本産であることを示す書類。上限15%適用の前提。
やることは『自社HTSが今回の減税カテゴリ(農機/HVAC/産業機械)か、それとも50%/25%の通常派生品か』の確認と、『製品全額ベースでの関税再計算』の2つ。日本発は枠組みで上限15%に頭打ちなので、原産地を証明できれば50%課税は基本ありません。対象判定〜原産地書類〜通関は当社の発送代行(SLC)が代行します。

