米国の買い物が『TikTok Shop』に集中──2025年の米GMVは約151億ドル(前年比+68%・Momentum Works調べ)、2026年は約234億ドルへ。ただし出店の入口は米国側にある──日本セラーから見た好機と壁
市場動向

米国の買い物が『TikTok Shop』に集中──2025年の米GMVは約151億ドル(前年比+68%・Momentum Works調べ)、2026年は約234億ドルへ。ただし出店の入口は米国側にある──日本セラーから見た好機と壁

2026年6月29日()執筆:ワールドシフト編集部

米国の買い物が、いまTikTok Shopに集中している。2025年の米国GMV(流通総額)は約151億〜158億ドル(≒2.4〜2.5兆円)・前年比+68〜108%(調査会社推計により幅)、2026年は約234億ドル(≒3.7兆円)へ伸びる見通しだ。強みは動画・ライブで“発見”し、その場で“購入”まで完結すること。“見せて伝わる”日本のコスメ・ホビー・食品・雑貨と相性がよい。ただし出店の入口は米国側にある。公開されている登録経路は米国に事業所住所を持つ事業者・中国本土/香港の法人・米国法人の越境枠の3つで、日本法人のままで登録できる枠は公開されていない(2026年9月14日確認)。鍵は──米国という入口を持てるか、そして米国内に在庫を置けるかだ。

何が起きている?──“発見から購入まで”が1本の動画で完結

TikTok Shopは、短尺動画やライブ配信で商品を“発見”し、そのまま“購入”まで完結させるコンテンツ・コマース(ソーシャルEC)です。検索して買う従来のECと違い、“出会って衝動的に買う”導線が新しい需要を生んでいます。

規模の伸びは急で、米国GMVは2025年に約151億ドル(≒2.4兆円)・前年比+68%(専業調査のMomentum Works)。eMarketerの推計では約158億ドル・前年比+108%と、調査会社により数値に幅があるが、いずれも高成長を示す。2026年は約234億ドル(≒3.7兆円)の予測。世界全体のGMVも2026年に約1,122億ドル(≒18兆円)へ拡大する見通しです(各種報道・調査)。とくにコスメ・スキンケアは主力カテゴリで、日本コスメ(J-Beauty)のようにTikTok起点で売れる事例が増えています。

約151億ドル
2025
約234億ドル
2026予測
米国TikTok Shopの推定GMV(Momentum Works・円換算は1ドル≒160円)

GMV・成長率は各種報道・民間調査に基づく推計で、出典により数値に幅があります。

日本セラーから見た好機と壁──“見せて伝わる”商材、ただし出店の入口は米国側

(1)相性の良い商材──使用感が伝わるコスメ、開封が映えるホビー(フィギュア・トレカ・けん玉)、“試してみたい”食品・雑貨は、動画で価値が伝わりやすい。日本発は“ものづくり”の物語も乗せやすい。

(2)出店の入口は米国側にある──米国のTikTok Shopに登録できるのは、公開されている経路では(a)米国に事業所住所を持つ事業者(オーナー・代表者の米国発行ID、EIN、米国銀行口座が必要)、(b)中国本土・香港の法人、(c)米国法人の越境枠——の3つです。日本法人のままで登録できる枠は、公開されている範囲では用意されていません(2026年9月14日確認)。米国法人をお持ちなら出店でき、配送は自社/3PLの米国倉庫から行います。

(3)“米国内在庫”が効く──デミニミス(少額免税)の停止で少額小包も正式・簡易通関になりました。1個ずつ日本から直送するより、米国内にまとめて在庫を置き、通関後に国内発送(最短翌日)する方が、関税・スピード・返品の全てで有利です。

売り方
以前
検索されるのを待つだけ
→
今
動画・ライブで“発見→その場購入”を作る
配送
以前
売れてから日本より1個ずつ直送
→
今
米国内在庫からまとめ通関→翌日配送
バズ対応
以前
在庫切れ・遅配でレビュー悪化
→
今
十分な在庫+速い発送で機会損失を防ぐ
GMV:流通総額。プラットフォーム上で取引された商品の総額。
EIN:米国の雇用者識別番号。米国で事業者として登録する際に使う税務上の番号。
ライブコマース:ライブ配信中に商品を紹介し、その場で販売する売り方。

日本の輸出者がやること──3ステップ

  1. 入口を確かめる:米国のTikTok Shopは米国の事業所住所・米国発行ID・EIN・米国銀行口座が登録要件です。米国法人をお持ちなら出店し、“見せて伝わる”単品を主役に動画・ライブで発見を作ります
  2. 米国内に在庫を置く:米国Amazon(FBA)か3PL(米国倉庫)に在庫を寄せ、デミニミス終了後でもまとめて通関→国内発送(最短翌日)でスピードと採算を確保します
  3. Amazon在庫を使うなら相談する:TikTok Shopの注文をAmazonのMCF(マルチチャネル・フルフィルメント)で出荷する形であれば、その元になる米国Amazon倉庫(FBA)への在庫補充(輸出・通関・FBA納品)を当社の発送代行(SLC)がお手伝いします。まずはご相談ください

💡 実務のワンポイント

TikTok Shopは『米国内に在庫を置くほど勝ちやすい』売り場です。(1)動画・ライブで“発見”→その場で購入まで完結するのが強み。日本製のコスメ・ホビー・食品・雑貨は“見せて伝わる”商材が多く相性が良い。(2)ただし出店の入口は米国側にあります。米国のTikTok Shopに登録できるのは、公開されている経路では(a)米国に事業所住所を持つ事業者(代表者の米国発行ID・EIN・米国銀行口座が必要)、(b)中国本土・香港の法人、(c)米国法人の越境枠——の3つで、日本法人のままで登録できる枠は公開されていません(2026年9月14日確認)。米国法人をお持ちなら出店でき、配送は自社/3PLの米国倉庫から行います。(3)2025年にデミニミス(少額免税)が終わり“少額小包も正式・簡易通関”になったため、1個ずつ日本から直送するより、米国内に在庫を置いてまとめて通関→国内発送(翌日配送)する方が、関税・配送スピード・返品の全てで有利。(4)勝ち筋は“バズる単品+十分な在庫+速い配送”。在庫切れと遅配がレビューを壊します。

よくある質問

TikTok Shopはどのくらいの規模?
米国GMVは2025年に調査会社推計で約151億〜158億ドル(≒2.4〜2.5兆円・前年比+68〜108%)、2026年は約234億ドル(≒3.7兆円)の予測です。世界GMVは2026年に約1,122億ドル(≒18兆円)へ拡大する見通しです(各種報道・調査)。
日本のセラーでも売れる?
米国のTikTok Shopに登録できるのは、公開されている経路では『米国に事業所住所を持つ事業者(オーナー・代表者の米国発行ID、EIN、米国銀行口座が必要)』『中国本土・香港の法人』『米国法人の越境枠』の3つです。日本法人のままで登録できる枠は公開されていません(2026年9月14日確認)。米国法人をお持ちなら出店でき、配送は米国Amazon(FBA)や3PLの米国倉庫からが基本です。
どんな商材が向く?
使用感が動画で伝わるコスメ、開封が映えるホビー(フィギュア・トレカ・けん玉)、試したくなる食品・雑貨など“見せて伝わる”商材です。
デミニミス停止の影響は?
少額小包も正式・簡易通関になったため、1個ずつ日本から直送するより、米国内に在庫を置きまとめて通関→国内発送する方が関税・スピード・返品で有利になりました。
出典は?
TikTok Shopのセラー向け情報と、GMVに関する各種報道・民間調査です。
📘 用語ミニ解説
  • TikTok Shop:TikTok内のEC機能。動画・ライブで発見し、その場で購入まで完結できる。
  • コンテンツ・コマース:動画やライブ等のコンテンツ起点で購入につなげる販売手法。ソーシャルEC。
  • 3PL:物流の外部委託(Third-Party Logistics)。米国倉庫での保管・発送代行など。
🤝 むずかしく見えても、ここは任せられます

TikTok Shopは“売り場”が新しいだけで、輸出の土台(米国内在庫・通関)は従来と同じです。米国法人をお持ちで米国のTikTok Shopに出店できている場合、TikTok Shopの注文をAmazonのMCF(マルチチャネル・フルフィルメント)で出荷する形であれば、その元になる米国Amazon倉庫(FBA)への在庫補充(輸出・通関・FBA納品)を、当社(WorldShift)の発送代行(SLC)がお手伝いします。“バズったのに在庫切れ”を防ぐ在庫の積み増しは、Amazon輸出と同じ段取りで進められます。米国法人をお持ちでない場合も、米国Amazon(FBA)に在庫を置く土台づくりからお手伝いできます。まずはご相談ください。

GMV・成長率は各種報道・民間調査に基づく推計で、出典により数値に幅があります。米国TikTok Shopの登録要件(米国の事業所住所・オーナー/代表者の米国発行ID・EIN・米国銀行口座)はTikTok Shop US Academyの記載、越境(Cross-border)の対象が中国本土・香港主体および米国主体であることはTikTok Shopの入駐ページの記載に基づきます(2026年9月14日確認)。招待制など公開されていない経路の有無までは確認できていません。デミニミス停止に伴う通関の扱いは制度上の事実。円換算は1ドル≒160円。【訂正】2026年9月14日:公開当初は「越境セラー向けプログラムで、日本の事業者が米国の消費者に直接販売できます」と記載していましたが、上記の一次情報と食い違うため、出店要件の記述に改めました。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。金額のうち当社試算と明記した箇所は概算で、個別の通関・税務判断を保証するものではありません。正確な税率・分類は各製品のHTSコードと最新の公式情報をご確認ください。