物流

米国の『対中海運フィー』(USTR Section 301・中国建造船)は今“停止中”──2026/11/9まで$0。日本発の海上輸送への影響と再開に備える見方

2026年7月1日 | 出典:USTR(Section 301 造船 措置)+White & Case/HFW等の解説+当社(WorldShift)整理(物流)

米国が中国の造船業に対して導入した“港湾フィー”(Section 301・中国建造船への課金)。見出しは物々しいですが、いまは徴収額$0で停止中です。2025年11月10日から1年間止められており、2026年11月9日まで料金は$0。しかも航空便・クーリエは元々対象外。日本の小口・FBA補充の多くは、影響を受けません

TOPIC
$0
現在の徴収額(停止中)
停止
TOPIC
〜2026/11/9
停止期間の終了日。11/10に再開の可能性
TOPIC
中国“建造”船
課金対象は中国で建造された本船
TOPIC
航空は対象外
クーリエ・航空便は元々かからない

何の制度?──中国“建造”の船に課す港湾フィー

USTR(米通商代表部)は、中国の造船・海運の優位を問題視し、Section 301に基づく措置として、中国で建造された本船が米国の港に入る際に手数料(港湾フィー)を課す枠組みを作りました。

2025年4月17日に最終決定、2025年10月14日に発効しましたが、その後2025年11月10日から1年間“停止”され、2026年11月9日まで料金は$0に据え置かれています。

ポイントは“中国建造の船が対象”という点。船会社・国籍ではなく本船の建造国で決まります。日本発の貨物でも、積む本船が中国建造なら、再開時にはサーチャージが乗り得ます。

2025/4/17
USTRが措置を最終決定
2025/10/14
港湾フィーが発効
2025/11/10
1年間の停止($0)に
2026/11/9
停止期間の終了予定→再開の可能性

料金水準・スケジュールはUSTR公表および各法律事務所の解説に基づく(2026年時点)。再開の有無・水準は変わり得る。

日本セラーへの影響は?──“送り方”で分かれる

影響は輸送手段でくっきり分かれます。落ち着いて自分の送り方を確認しましょう。

航空便・クーリエ
以前
自分も課金されると誤解
対象外=DHL/UPS/FedEx等は元々かからない
海上(中国建造船)
以前
常に高額が乗ると心配
いまは$0。再開時のみサーチャージの可能性
海上(非・中国建造船)
以前
全部の海上が対象と誤解
中国建造でない本船なら対象外
いま取るべき行動
以前
急いで船・港を変える
11/9までは静観、再開の分岐だけ準備
Section 301:不公正な貿易慣行に対抗する米通商法301条。関税や手数料などの措置を課す根拠。
港湾フィー:今回の措置で、中国建造の本船が米国港に入る際に課される手数料。現在は停止中。
本船の建造国:課金の判定基準。船会社の国籍ではなく、その船がどこで造られたかで決まる。

いま備えること──3つの確認

  1. 送り方を確認:航空便・クーリエなら対象外。海上を使う場合だけ次を見ます
  2. 本船の建造国を一言確認:海上見積・B/Lで中国建造か301サーチャージの有無をフォワーダーに確認しておく
  3. 再開の分岐を用意:少量・定期便なら、再開(11/10以降)に備えクーリエ・航空との比較を今のうちに握る

💡 実務のワンポイント

要点は『航空・クーリエは無関係/海上でも“いま”は$0』の2点です。(1)このフィーは中国“建造”の船に課すもので、日本発でも積む本船が中国建造ならフォワーダー経由でサーチャージが乗り得ます。逆にDHL/UPS/FedEx等の航空便やクーリエは対象外。(2)現在は2025/11/10から1年間“停止中”で、2026/11/9まで料金は$0。慌てて船を変える必要はありません。実務のコツは、海上を使うなら見積・B/Lで『本船の建造国』と『301サーチャージの有無』をフォワーダーに一言確認しておくこと。再開(11/10以降)に備え、少量・定期便ならクーリエ/航空との比較を今のうちに握っておくと安全です。

よくある質問

いま、日本発の貨物に港湾フィーはかかる?
いいえ。2025年11月10日から停止中で、2026年11月9日まで徴収額は$0です。さらに航空便・クーリエは元々対象外です。
何が対象なの?
中国で“建造”された本船が米国の港に入る際の手数料です。船会社の国籍ではなく、本船の建造国で判定されます。
日本のセラーは影響を受ける?
多くは受けません。航空・クーリエは対象外で、海上でも現在は$0です。海上で中国建造船を使う場合のみ、再開時にサーチャージが乗る可能性があります。
再開はいつ?
停止は2026年11月9日までです。11月10日以降に再開する可能性があるため、その分岐だけ準備しておくと安全です。
いま船や港を変えるべき?
急ぐ必要はありません。11/9までは$0のため、まずは送り方(航空/海上)と本船の建造国を確認しておけば十分です。
📘 用語ミニ解説
  • USTR:米通商代表部。通商政策・Section 301措置を所管する。
  • Section 301:不公正な貿易慣行に対抗する米通商法301条。関税・手数料などを課す根拠。
  • フォワーダー:国際輸送を手配する貨物利用運送事業者。本船やサーチャージの確認先になる。
🤝 むずかしく見えても、ここは任せられます

見出しは物々しいですが、いま徴収額は$0で、航空・クーリエは元々対象外です。日本の小口・FBA補充の多くは影響を受けません。海上を使う場合の建造国確認、航空・クーリエとのコスト比較、通関までを当社(WorldShift)の発送代行(SLC)が伴走します。11/9までは落ち着いて、再開時の分岐だけ用意しておけば十分です。

制度の内容・停止期間・料金水準はUSTR公表および各法律事務所の解説に基づく(2026年時点)。再開の有無・水準・スケジュールは変わり得るため、海上輸送を使う場合はフォワーダーに最新のサーチャージ状況を確認してください。円換算は1ドル≒160円。
※本記事は一般的な情報提供を目的とした見本です。金額はわかりやすさ優先のざっくり試算で、個別の通関・税務判断を保証しません。正確な税率・分類は各製品のHTSコードと最新の公式情報をご確認ください。