
カリフォルニア州の『繊維EPR』が7月1日始動──ブランド主はPRO加入が必須に、年商100万ドル未満の小規模輸出者は対象外
米国で繊維製品専用のEPR(拡大生産者責任)が全米で初めて動き出した。カリフォルニア州のSB707(Responsible Textile Recovery Act)が2026年7月1日、最初の期限を迎える。対象となる『プロデューサー(ブランド主)』は、州が承認した唯一のPRO(生産者責任団体)Landbell USAへの加入が義務になった。米国拠点の有無は問わない——カリフォルニアの消費者に商品を届けていれば、日本のブランドも対象になり得る。だが年商100万ドル未満の事業者は適用除外。まず自社が対象かどうかの確認が最初の一歩だ。
何が始まった?──『包装』でなく『繊維製品』専用のEPR
米国では2023年頃から包装材(段ボール・緩衝材等)のEPRが複数州で法制化されてきたが、SB707は衣料品・繊維製品そのものを対象にする全米初の制度。カリフォルニア州資源回収局(CalRecycle)が監督し、唯一の州承認PRO=Landbell USAが回収・リサイクルの実務窓口になる。
対象は衣料品・繊維家庭用品(タオル・寝具・カーテン等を含む)で、カリフォルニアの消費者が商品を受け取った時点で『販売』とみなされるため、州外・海外の事業者やオンラインマーケットプレイス経由の販売も対象になり得る。
包装材(段ボール・緩衝材等)を対象にする一般の包装EPRは既に7州で稼働中(別記事参照)。SB707はそれとは別に、衣料品・繊維製品そのものを対象にする制度。
『プロデューサー』とは誰か──ブランド主が中心、小規模は除外
SB707の『プロデューサー』は『製品を製造し、その製品が販売される商標・ブランドを所有または許可する者』と広く定義される。サプライチェーン全体をカバーする段階的な定義のため、州外の製造者・ブランド所有者・輸入業者・流通業者・オンラインマーケットプレイスまで含まれ得る。
ただし年間売上高100万ドル未満の事業者と中古品のみを扱う事業者は適用除外。OEM生産で他社ブランドのタグを付けて発送する場合、プロデューサーはブランドを所有する側であり、製造・発送を担うだけの立場は該当しない。
日本の輸出者がやること:3ステップ
- 該当確認:自社ブランドの年商が100万ドル以上で、カリフォルニアの消費者に衣料品・繊維製品を届けているかを確認します(未満・中古品のみなら対象外)
- PRO加入:該当する場合はLandbell USAへの加入手続きを進めます(詳細な報告・手数料の実施規則は2028年7月までにCalRecycleが順次整備予定)
- 体制の整理:OEM/PB(プライベートブランド)の場合はブランド名義を整理し、通関・FBA納品は当社の発送代行(SLC)が支援します
対象判定の鍵は『ブランド主(Producer)かどうか』と『年商』の2つです。①自社ブランドを付けてカリフォルニアの消費者に商品を届けているなら、米国拠点が無い日本法人でもProducerに該当し得ます。②ただし年商100万ドル未満の事業者は適用除外(exemption)なので、多くの個人輸出・小規模FBAセラーはまず『対象外であること』を確認するだけで済みます。③OEM先ブランドのタグを付けて発送する場合、『ブランド主=タグの持ち主』であって発送代行を担う当社ではない点も整理しておくと安心です。
よくある質問
- プロデューサー(Producer):製品を製造し、その製品が販売される商標・ブランドを所有または許可する事業者。SB707では海外ブランドも対象になり得る。
- Landbell USA:SB707でカリフォルニア州が承認した唯一のPRO(生産者責任団体)。対象プロデューサーの加入窓口。
- EPR(拡大生産者責任):製品が廃棄された後の回収・リサイクル費用を、製造者・ブランド主に負担させる制度の総称。
やることは『自社が年商100万ドル以上のブランド主に該当するかの確認』が第一歩です。該当する場合のみLandbell USAへの登録が必要になり、多くの小規模輸出者はそもそも対象外です。対象判定、登録の要否、通関・FBA納品までのラベル整備は、当社(WorldShift)の発送代行(SLC)がサポートします。

