
IEEPA関税が最高裁で違法→還付へ──CBPの『CAPE』で約165億ドル返還、すでに約350億ドル処理
関税の地図が変わった。2026年2月20日、米最高裁はIEEPAに基づく関税を違法と判断。国際貿易裁判所(CIT)はCBPに約165億ドル(≒約2.6兆円)の還付を命じ、CBPは新システム「CAPE」で2026年4月20日から還付を開始。5月時点で約350億ドル(元本+利息)が処理された。輸入者の請求の要点をまとめた。
何が起きたのか(時系列)
トランプ政権がIEEPA(国際緊急経済権限法)を根拠に課していた“相互関税”等が、裁判で違法とされ、払い過ぎた関税の還付が動き出しました。
還付の仕組み(CAPE)と対象
CBPは専用システムCAPEで還付申告を受け付けています。第1フェーズは範囲が限定的で、未清算(unliquidated)のエントリーや申告から80日以内に清算されたエントリー等が対象です。還付は受理後おおむね60〜90日で、利息も付きます。
重要なのは対象は「IEEPAを根拠とする関税」であること。Section 232(鉄鋼・アルミ等)やSection 301(対中)は別根拠でこのIEEPA違法判断の対象外=存続です。混同に注意します。
“IEEPA分だけ”が還付対象。232/301は別物。
輸入者がやるべきこと:還付請求の全体像
払い過ぎたIEEPA関税は、輸入者(IOR)が請求します。
- 該当エントリーの特定:自社(または委託先)の輸入でIEEPA関税を払ったエントリーを洗い出す
- CAPEで申告:CBPのCAPEを通じて還付を申告(通関ブローカー経由が一般的)
- 清算状況の確認:未清算/清算済みでフェーズ・対象が変わる
- 記録の保全:7501(エントリーサマリー)・支払記録を保管
- 232/301は別管理:これらは還付対象外なので分けて扱う
通関データの整理・ブローカー連携・輸入者体制はSLC(発送代行)で対応できます(具体的な還付請求は通関士・専門家と連携)。
ここで絶対に混同してはいけないのが『どの関税が還付対象か』です。今回の最高裁判断で違法→還付対象になったのは“IEEPAを根拠とする関税”だけ。鉄鋼・アルミ等のSection 232や、対中のSection 301はそれぞれ別の法的根拠で課されており、今回の還付対象ではなく存続します。自社が払った関税の内訳を、エントリーサマリー(CBP Form 7501)で『IEEPA分/232分/301分』に切り分けるのが第一歩。IEEPA分はCAPEで還付請求でき利息も付きますが、フェーズや清算状況で対象が変わるため、通関士と連携して該当エントリーを早めに特定・保全しておきましょう。
よくある質問
- IEEPA:国際緊急経済権限法(関税根拠は違法判断)。
- CAPE:CBPのIEEPA関税還付システム。
- CIT:米国際貿易裁判所。
要点はシンプルです。①還付対象はIEEPA分だけ②CAPEで請求でき利息も付く③232/301は別管理。通関データの整理・エントリーの特定・ブローカー連携・記録の保全まで、当社の発送代行(SLC)が輸入者体制とともにサポート。払い過ぎた関税の取り戻しを、漏れなく・正しく進められます。

