市場トレンド

米国で「日本の抹茶」が品薄・高騰──いま輸出を伸ばすチャンス

2026年6月10日 | 当社(WorldShift)の視点+公開市場情報より(市場トレンド)

米国で抹茶が止まらない。スターバックスの抹茶ラテ、TikTokで点てる動画——緑の粉は、いまや健康志向の若者の「日常」になった。市場は10年で約3倍に膨らみ、なお伸び続ける。追い風は本物だ。ただし抹茶は「食品」。米国へ送るにはFDAの関門を越えねばならない。売れる理由と、輸出の通し方まで一気に見ていく。

TOPIC
約480億円
米国の抹茶市場(2024年・約3億ドル)
↑ 拡大
TOPIC
約9.3%
年平均成長率(CAGR)
2025–35
TOPIC
約1,280億円
2035年の市場予測(約8億ドル)
TOPIC
食品
FDA事前通知が必要
要対応

なぜいま売れている?

抹茶人気は一過性のブームではなく、米国の生活に定着しつつあります。理由は大きく3つ。

① 健康・機能性:抗酸化成分と、テアニン由来の「穏やかに集中できるカフェイン」が、コーヒーの代替として支持されています。ウェルネス文脈で「体に良い嗜好品」と認知されている点が強い。
② カフェ文化:スターバックスやダンキンなど主要チェーンが抹茶ラテを定番化し、「飲んだことがある人」の裾野が一気に広がりました。外食での体験が家庭用購入につながっています。
③ SNS:鮮やかな緑色と「自分で点てる」体験がTikTok・Instagramで拡散し、Z世代の新しい入口になっています。

結果として、飲料にとどまらずパウダー・スターターセット(茶筅+茶碗)・菓子・ベーキング材料まで横に広がって売れているのが、この市場の最大の特徴です。

米国の抹茶市場は10年で約3倍へ

米国の抹茶製品市場は2023年に約2.7億ドル(≒430億円)、2024年に約3億ドル(≒480億円)。2035年には約8億ドル(≒1,280億円)まで拡大すると予測され、年平均成長率(CAGR)は約9.3%です。牽引役は健康・機能性食品ブーム、抹茶ラテのカフェ定番化、そして米国Eコマースの拡大。市場が縮むリスクより、伸びに乗り遅れるリスクの方が大きい局面と言えます。(1ドル≒160円換算)

2.7億$3億$5.1億$8億$202320242030予2035予
米国の抹茶製品 市場規模(ドル)/2030・35はCAGRからの予測

グレード別:高級「セレモニアル」がより速く伸びる

2024年の内訳はおおむねスタンダード約1.2億ドル(≒192億円)/セレモニアル約0.9億ドル(≒144億円)。高級グレードのセレモニアルは2035年に約2.4億ドル(≒384億円)へと、市場平均を上回るペースで伸びる見込みです。

つまり、安さ競争より品質で選ばれる高単価帯に伸びしろがある。日本産の強みである産地・等級・石臼挽きといった品質ストーリーが、そのまま価格の根拠として効く市場です。

  • スタンダード1.2億$
  • セレモニアル(高級)0.9億$
  • 飲料・菓子用など0.9億$
米国の抹茶市場 構成(2024年・概算 計約3億ドル)

米国では誰が・どこで・いくらで買っているか

買い手はミレニアル〜Z世代の健康志向層が中心。自宅で点てる層と、ベーキング・スムージーに使う層が広がっています。

販路は3本柱。①専門食料品店(Whole Foods・Sprouts等)②カフェ・QSR(抹茶ラテのメニュー化)③米国Amazon・DTC(定期購入が伸長)。とくにEコマースの伸びが顕著で、Ippodo・Jade Leaf・Naoki などのブランドがレビュー評価を積み上げて認知を広げています。

価格帯は調理用(culinary)が安く、儀式用(ceremonial)が高単価。下のとおり1gあたりで数倍の差があり、高品質ほど利幅を取りやすい構造です。(1ドル≒160円換算)

調理用 (Culinary)ラテ・菓子・ベーキング向け
約 80〜160円/g
儀式用 (Ceremonial)そのまま点てる高品質
約 160〜480円/g

価格帯は米国小売の概況(1gあたりの目安)。ブランド名は市場で見られる例です。

米国に抹茶を輸出するには:手続きの全体像

ここが本題です。抹茶はFDA規制の食品。売れるからといって、そのまま送ると差し止めになりかねません。米国へ輸出するときの流れは次の7ステップです。

  1. HTS分類を確認:茶・抹茶は概ね HTS 0902系(加工度で変わる)。関税率と追加関税を把握する
  2. FDA 施設登録:製造・保管施設を登録(原則2年ごと更新)+米国代理人(US Agent)を用意
  3. FDA 事前通知(Prior Notice)出荷ごとに到着前に届け出る(漏れると差し止め)
  4. FSVP対応:米国側の輸入者が供給者検証を行う体制を整える
  5. 英語ラベル:原材料・アレルゲン・栄養成分(Nutrition Facts)・正味量を米国基準に
  6. 通関書類:インボイス(正確な品名・数量・申告価格)を整える
  7. 配送の実務:賞味期限の管理、湿気・退色・高温対策、まとめ輸入で1個あたりコストを圧縮

FDAの登録・事前通知・FSVP・ラベル確認は、当社のFDAサポート、通関〜FBA納品はSLC(発送代行)でまとめて対応できます。

事前通知 (Prior Notice):食品の到着前にFDAへ内容を届け出る手続き。出荷ごとに必要で、漏れると差し止め。
FSVP:外国供給業者検証制度。米国側の輸入者に課される、供給者の安全性検証の義務。
Nutrition Facts:米国の栄養成分表示。様式・単位が日本と異なるため作り直しが必要。
US Agent(米国代理人):FDAとの連絡窓口になる米国内の代理人。海外の製造者・輸出者には必須。
💡 実務のワンポイント

ラベルの『効能』表現に注意。『免疫力アップ』等の医薬品的な表示はFDAで問題になりがちで、健康食品でも“薬のような効能”は不可。栄養成分・原材料・アレルゲンの表示に徹し、効能は謳わないのが安全です。

よくある質問

個人でも送れる?
可能です。ただし食品のFDA手続き(施設登録・事前通知等)が必要です。当社(WorldShift)で代行できます。
一番のハードルは?
FDAの事前通知とラベル(栄養成分表示)です。ここで差し止め・修正が起きがちです。
ラベルは日本語のままでいい?
いいえ。英語表示と、米国式の栄養成分表示(Nutrition Facts)への作り直しが必要です。
まとめて送るとお得?
はい。まとめ輸入で1個あたりの送料・通関コストを圧縮できます。
🤝 むずかしく見えても、ここは任せられます

抹茶は「食品=FDA」の一点さえ通せば、伸びる市場に乗れます。施設登録・出荷ごとの事前通知・英語ラベル(栄養成分表示)まで、当社のFDAサポートが代行。差し止めの心配なく、いまの需要をしっかり取りにいけます。

数値は上記市場調査の概況。最新値・定義は各レポートをご確認ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的とした見本です。金額はわかりやすさ優先のざっくり試算で、個別の通関・税務判断を保証しません。正確な税率・分類は各製品のHTSコードと最新の公式情報をご確認ください。