
米国で「日本の抹茶」が品薄・高騰──いま輸出を伸ばすチャンス
米国で抹茶が止まらない。スターバックスの抹茶ラテ、TikTokで点てる動画——緑の粉は、いまや健康志向の若者の「日常」になった。市場は10年で約3倍に膨らみ、なお伸び続ける。追い風は本物だ。ただし抹茶は「食品」。米国へ送るにはFDAの関門を越えねばならない。売れる理由と、輸出の通し方まで一気に見ていく。
なぜいま売れている?
抹茶人気は一過性のブームではなく、米国の生活に定着しつつあります。理由は大きく3つ。
① 健康・機能性:抗酸化成分と、テアニン由来の「穏やかに集中できるカフェイン」が、コーヒーの代替として支持されています。ウェルネス文脈で「体に良い嗜好品」と認知されている点が強い。
② カフェ文化:スターバックスやダンキンなど主要チェーンが抹茶ラテを定番化し、「飲んだことがある人」の裾野が一気に広がりました。外食での体験が家庭用購入につながっています。
③ SNS:鮮やかな緑色と「自分で点てる」体験がTikTok・Instagramで拡散し、Z世代の新しい入口になっています。
結果として、飲料にとどまらずパウダー・スターターセット(茶筅+茶碗)・菓子・ベーキング材料まで横に広がって売れているのが、この市場の最大の特徴です。
米国の抹茶市場は10年で約3倍へ
米国の抹茶製品市場は2023年に約2.7億ドル(≒430億円)、2024年に約3億ドル(≒480億円)。2035年には約8億ドル(≒1,280億円)まで拡大すると予測され、年平均成長率(CAGR)は約9.3%です。牽引役は健康・機能性食品ブーム、抹茶ラテのカフェ定番化、そして米国Eコマースの拡大。市場が縮むリスクより、伸びに乗り遅れるリスクの方が大きい局面と言えます。(1ドル≒160円換算)
グレード別:高級「セレモニアル」がより速く伸びる
2024年の内訳はおおむねスタンダード約1.2億ドル(≒192億円)/セレモニアル約0.9億ドル(≒144億円)。高級グレードのセレモニアルは2035年に約2.4億ドル(≒384億円)へと、市場平均を上回るペースで伸びる見込みです。
つまり、安さ競争より品質で選ばれる高単価帯に伸びしろがある。日本産の強みである産地・等級・石臼挽きといった品質ストーリーが、そのまま価格の根拠として効く市場です。
- スタンダード1.2億$
- セレモニアル(高級)0.9億$
- 飲料・菓子用など0.9億$
米国では誰が・どこで・いくらで買っているか
買い手はミレニアル〜Z世代の健康志向層が中心。自宅で点てる層と、ベーキング・スムージーに使う層が広がっています。
販路は3本柱。①専門食料品店(Whole Foods・Sprouts等)②カフェ・QSR(抹茶ラテのメニュー化)③米国Amazon・DTC(定期購入が伸長)。とくにEコマースの伸びが顕著で、Ippodo・Jade Leaf・Naoki などのブランドがレビュー評価を積み上げて認知を広げています。
価格帯は調理用(culinary)が安く、儀式用(ceremonial)が高単価。下のとおり1gあたりで数倍の差があり、高品質ほど利幅を取りやすい構造です。(1ドル≒160円換算)
価格帯は米国小売の概況(1gあたりの目安)。ブランド名は市場で見られる例です。
米国に抹茶を輸出するには:手続きの全体像
ここが本題です。抹茶はFDA規制の食品。売れるからといって、そのまま送ると差し止めになりかねません。米国へ輸出するときの流れは次の7ステップです。
- HTS分類を確認:茶・抹茶は概ね HTS 0902系(加工度で変わる)。関税率と追加関税を把握する
- FDA 施設登録:製造・保管施設を登録(原則2年ごと更新)+米国代理人(US Agent)を用意
- FDA 事前通知(Prior Notice):出荷ごとに到着前に届け出る(漏れると差し止め)
- FSVP対応:米国側の輸入者が供給者検証を行う体制を整える
- 英語ラベル:原材料・アレルゲン・栄養成分(Nutrition Facts)・正味量を米国基準に
- 通関書類:インボイス(正確な品名・数量・申告価格)を整える
- 配送の実務:賞味期限の管理、湿気・退色・高温対策、まとめ輸入で1個あたりコストを圧縮
FDAの登録・事前通知・FSVP・ラベル確認は、当社のFDAサポート、通関〜FBA納品はSLC(発送代行)でまとめて対応できます。
ラベルの『効能』表現に注意。『免疫力アップ』等の医薬品的な表示はFDAで問題になりがちで、健康食品でも“薬のような効能”は不可。栄養成分・原材料・アレルゲンの表示に徹し、効能は謳わないのが安全です。
よくある質問
抹茶は「食品=FDA」の一点さえ通せば、伸びる市場に乗れます。施設登録・出荷ごとの事前通知・英語ラベル(栄養成分表示)まで、当社のFDAサポートが代行。差し止めの心配なく、いまの需要をしっかり取りにいけます。

