通関ルール変更

米国の“$800まで無税”が終了──少額の小包もすべて課税に

2026年6月2日 | 出典:ホワイトハウス布告(デミニミス免税の停止継続)

「800ドルまでなら無税」——その常識は、もう通用しない。米国は少額免税(デミニミス)を撤廃し、いまは小さな小包1つにも関税と手数料がかかる。とりわけ痛いのは、低単価品を1個ずつ送ってきたEC事業者と個人だ。なぜ撤廃され、何が変わったのか。

TOPIC
800→0ドル
免税枠の撤廃
撤廃
TOPIC
13.6億件
免税小包(FY2024)
↑約10倍
TOPIC
400万/日
ピーク時の処理量
TOPIC
10億ドル超
撤廃後のCBP徴収額

いつ、何が変わった?

2025/8/29
$800免税を全原産国で停止
2026/2/28
定額方式を廃止し従価課税に一本化

なぜ撤廃された?──小包が10年で約10倍に

背景は少額免税を使った小包の爆発的な増加です。米国に免税で入る小包は2015年度の約1.39億件から、2024年度には13.6億件超へ急増し、ピーク時は1日あたり約400万件。歳入の逸失と取り締まりの難しさが問題視され、撤廃に至りました。撤廃後、CBPは新たに$10億超の関税・手数料を徴収しています。

1.39億件
FY2015
約10億件
FY2023
13.6億件
FY2024
米国へ免税で流入した小包の件数(百万件)出典:CBP

小包1個あたり、いくら増える?

日本発・$1=¥155での目安。金額の大小より「1個ごとに関税+手数料+書類」が必要になった点が本質で、低単価ほど割高になります。

$30の雑貨(税率計15%想定)
以前
¥0
+¥700/個 +手数料
$50のアパレル(綿T:16.5%+10%)
以前
¥0
+¥2,050/個 +手数料

さらにキャリアの通関取扱料が1個あたり数百円〜上乗せ。「とにかく個別配送」モデルが成立しにくくなります。

コストを抑える打ち手

まとめ輸入(コンソリ)小口を束ねて通関を1回に
1件に集約
米国内に在庫を置く保税・現地倉庫の活用
都度課税を回避
HTS確認+価格反映正しい分類と値付け
利益を守る
デミニミス:少額($800以下)輸入を無税・簡易通関にする制度(停止中)。
従価課税:商品の価格に対して◯%で関税をかける方式。
コンソリ:小口貨物をまとめて1件の通関にすること。1個あたりコストを圧縮できる。
ACE:米国税関の輸入処理システム。正式通関はここで申告が必要。
💡 実務のワンポイント

まとめ輸入でも『1注文を分割しただけ』はNG。同一荷主・同一受取人への分割は合算・否認されることがあります。実態として1貨物に束ね、インボイスの数量・単価を正確に。低単価品ほど手数料負けしないロット設計を。

よくある質問

個人でも対象?
はい。価格に関わらず原則課税対象です。
まとめれば安くなる?
1件化で手数料・事務を圧縮できる余地があります。
いくらかかる?
品目の関税率+追加関税+キャリアの通関手数料。低単価ほど割高になります。
一次情報は?
ホワイトハウス布告(デミニミス免税の停止継続)。
📘 用語ミニ解説
  • デミニミス:少額($800以下)輸入の無税・簡易通関制度(停止中)
  • 従価課税:価格に対して◯%でかかる関税
  • HTSUS:米国の品目別関税率表
  • コンソリ:小口貨物をまとめて1件の通関にすること
  • ACE:米国税関の輸入処理システム
🤝 むずかしく見えても、ここは任せられます

少額免税が無くなっても、打ち手はあります。小口をまとめる「コンソリ(まとめ輸入)」や正しい申告・手数料の最適化は、当社の発送代行(SLC)が代行。1個ずつ送るより、束ねて賢く——コストを抑えて送り続けられます。

件数はCBP統計。1個あたりの増加額はわかりやすさ優先の概算です。
※本記事は一般的な情報提供を目的とした見本です。金額はわかりやすさ優先のざっくり試算で、個別の通関・税務判断を保証しません。正確な税率・分類は各製品のHTSコードと最新の公式情報をご確認ください。