関税

米国の関税は『重ねがけ』される──基本+232+301の合算、実質の関税を見積もる

2026年6月8日 | 出典:CBP/USITC+当社(WorldShift)整理(関税)

関税は1つではない。重ねがけ(合算)される。1つの貨物に基本(MFN)+Section 301(中国)+Section 232(金属)が同時にかかり、足し算で実質の関税が決まる。中国産の鉄鋼派生品なら合計78.8%に達することも。(なお相互関税は2026年2月に無効化)。重ねがけの考え方と、実質関税の見積り方をまとめた。

TOPIC
合算される
基本+232+301は加算
重ねがけ
TOPIC
232=50%
鉄鋼・アルミ(派生品は25%)
高率
TOPIC
301=多くが25%
中国原産品
TOPIC
相互関税は廃止
2026/2に無効化(積み上げ対象外)

重ねがけの基本:加算であって択一でない

追加関税は代替ではなく加算です。①基本(HTSの税率)+②Section 301(中国原産)+③Section 232(金属・派生品)を、同じ通関価格にそれぞれ掛けて足します(いずれも従価税)。Section 301は基本関税への上乗せで、Section 232とも合算されます。

いま生きている層/消えた層

2026年6月時点の整理です。

生きている
以前
Section 232(金属)50%・派生品25%
Section 301(中国)多くが25%
消えた
以前
IEEPA『相互関税』
2026年2月に最高裁が無効化
流動的
以前
Section 122 一律 約10%
新しく変動の可能性・232対象品には付かない

計算例:通関価格1万ドルに対して

合算の効き方を、2つの例で見ます。

例A:中国原産・非金属=基本3%+301の25%=28%(関税2,800ドル)。例B:中国原産・鉄鋼派生品=基本3.8%+301の25%+232の50%=78.8%(関税7,880ドル)。(相互関税を除いた現行ベース・1ドル≒160円)

28%
例A 非金属
78.8%
例B 鉄鋼派生
中国原産品の合算関税率(例)/通関価格に対する%

さらにMPF(0.3464%・最低約5,400円/最大約10.4万円)とHMF(海上0.125%)が上乗せ。

自分で見積もる手順

次の順で重ねていきます。

  1. HTS10桁を特定(USITC・hts.usitc.gov)
  2. 基本(General)率を確認
  3. Section 301該当(中国原産・第99類)を確認
  4. Section 232派生品(金属・第99類)を確認
  5. 合算し、MPF・HMFを上乗せ(中国輸入は毎月 第99類を確認)

HTSの特定・該当判定・実質関税の試算はSLC(発送代行)で対応できます。

重ねがけ:基本+301+232を同じ通関価格に加算する。
Section 232:金属50%・派生品25%(現行)。
Section 301:中国原産品への追加関税(多くが25%)。
第99類(Chapter 99):一時的な追加関税が格納されるHTSの章。
💡 実務のワンポイント

ネットの『積み上げ計算例』の多くは古いので注意。2026年2月にIEEPA相互関税が最高裁で無効化されたため、『基本+相互10%+301+232』のような旧計算は過大です。現行で確実に効くのは 基本(MFN)+Section 301(中国)+Section 232(金属)の加算。Section 122の一律約10%は新しく流動的で、しかもSection 232対象品には乗りません。中国から仕入れるなら毎月HTSの第99類(Chapter 99)を確認し、最新の率で再計算を。

よくある質問

関税は1つだけ?
いいえ。基本+Section 301+Section 232が合算(重ねがけ)されます。
相互関税はまだかかる?
いいえ。2026年2月に最高裁が無効化しました。301/232は存続します。
どう見積もる?
HTS10桁→基本率→301該当→232該当→合算+MPF/HMFの順です。
一次情報は?
USITCのHTS、CBP、USTRのSection 301です。
📘 用語ミニ解説
  • 重ねがけ:複数の関税の加算。
  • Section 232/301:金属/中国原産への追加関税。
  • MPF/HMF:通関手数料・港湾維持費。
🤝 むずかしく見えても、ここは任せられます

複雑に見えますが、順に重ねれば正確に出せます。HTSの特定・Section 301/232の該当判定・MPF/HMF込みの実質関税の試算まで、当社の発送代行(SLC)が代行。想定外の追徴を避け、正しい原価で価格設計して米国に送れます。

税率は2026年6月時点の概況で変動します。最新・正確な率はHTS/CBP/USTRをご確認ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的とした見本です。金額はわかりやすさ優先のざっくり試算で、個別の通関・税務判断を保証しません。正確な税率・分類は各製品のHTSコードと最新の公式情報をご確認ください。