
米国の関税は『重ねがけ』される──基本+232+301の合算、実質の関税を見積もる
関税は1つではない。重ねがけ(合算)される。1つの貨物に基本(MFN)+Section 301(中国)+Section 232(金属)が同時にかかり、足し算で実質の関税が決まる。中国産の鉄鋼派生品なら合計78.8%に達することも。(なお相互関税は2026年2月に無効化)。重ねがけの考え方と、実質関税の見積り方をまとめた。
重ねがけの基本:加算であって択一でない
追加関税は代替ではなく加算です。①基本(HTSの税率)+②Section 301(中国原産)+③Section 232(金属・派生品)を、同じ通関価格にそれぞれ掛けて足します(いずれも従価税)。Section 301は基本関税への上乗せで、Section 232とも合算されます。
いま生きている層/消えた層
2026年6月時点の整理です。
計算例:通関価格1万ドルに対して
合算の効き方を、2つの例で見ます。
例A:中国原産・非金属=基本3%+301の25%=28%(関税2,800ドル)。例B:中国原産・鉄鋼派生品=基本3.8%+301の25%+232の50%=78.8%(関税7,880ドル)。(相互関税を除いた現行ベース・1ドル≒160円)
さらにMPF(0.3464%・最低約5,400円/最大約10.4万円)とHMF(海上0.125%)が上乗せ。
自分で見積もる手順
次の順で重ねていきます。
- HTS10桁を特定(USITC・hts.usitc.gov)
- 基本(General)率を確認
- Section 301該当(中国原産・第99類)を確認
- Section 232派生品(金属・第99類)を確認
- 合算し、MPF・HMFを上乗せ(中国輸入は毎月 第99類を確認)
HTSの特定・該当判定・実質関税の試算はSLC(発送代行)で対応できます。
ネットの『積み上げ計算例』の多くは古いので注意。2026年2月にIEEPA相互関税が最高裁で無効化されたため、『基本+相互10%+301+232』のような旧計算は過大です。現行で確実に効くのは 基本(MFN)+Section 301(中国)+Section 232(金属)の加算。Section 122の一律約10%は新しく流動的で、しかもSection 232対象品には乗りません。中国から仕入れるなら毎月HTSの第99類(Chapter 99)を確認し、最新の率で再計算を。
よくある質問
- 重ねがけ:複数の関税の加算。
- Section 232/301:金属/中国原産への追加関税。
- MPF/HMF:通関手数料・港湾維持費。
複雑に見えますが、順に重ねれば正確に出せます。HTSの特定・Section 301/232の該当判定・MPF/HMF込みの実質関税の試算まで、当社の発送代行(SLC)が代行。想定外の追徴を避け、正しい原価で価格設計して米国に送れます。

