市場トレンド

米国で日本米・米加工品に追い風──『令和の米騒動』が輸出機運に。ただしヒ素・農薬と精米/籾の区別に注意

2026年6月14日 | 当社(WorldShift)の視点+米国市場・公開データより(市場トレンド)

寿司ブームの土台は、やはり米だ。米国で日本米・米加工品(餅・米菓)の需要が底堅く、日本国内の「令和の米騒動」(2024〜25年の米価高騰)が皮肉にも日本ブランド米を海外へ売る機運を高めた。ただし輸出にはFDAのヒ素・農薬監視と、精米(FDA)と籾・種子(APHIS)の区別がある。需要と勘所をまとめた。

TOPIC
令和の米騒動
国内高騰が輸出機運に(2024〜25)
TOPIC
精米=FDA
食品として輸入(登録・事前通知)
TOPIC
籾・種子=APHIS
植物検疫の許可が要る
注意
TOPIC
ヒ素・農薬
FDAが米を継続監視
注意

なぜ日本米が売れる?

土台は寿司・和食の定着と家庭での手巻き・寿司づくりです。プレミアム短粒米の食味とブランド力(コシヒカリ・あきたこまち)が支持されています。日本の「令和の米騒動」で国内米価が前年比約8割高となり(コシヒカリ5kgが約4,000〜5,000円)、高くても売れる海外へブランド米を出す動きが加速しました。

ただし最大の競合は米国産の日本品種「Calrose(カルローズ)」。カリフォルニア産で安価・食味も近く、日本の品不足時に需要が伸びました。日本産は「本物・産地ブランド(新潟産等)」での差別化が鍵です。米加工品では餅(低糖・グルテンフリー訴求)煎餅(米国のアジア系スナック市場で+27%)も伸びています。(1ドル≒160円換算)

約87億$
2025
約130億$
2032予
世界の米菓(煎餅)市場規模(ドル)/2032は予測(CAGR約5.9%)

誰が・どこで・いくらで買っているか

販路はアジア系スーパー、Amazon、Costco、Whole Foods、一般スーパー。Tamaki Gold(カリフォルニア産コシヒカリ)・Tamanishiki(Costco)・Nishiki(中粒)などが11〜15lb袋で流通します。価格帯本物の日本産(産地ブランド)が上位、Calrose系・ブレンドが中位という階層。買い手は寿司・和食を作る家庭とレストランです。

米国に米・米加工品を輸出するには:手続きの全体像

「何を送るか」で管轄が変わります。

  1. 精米はFDAの食品:施設登録+事前通知+FSVP+英語ラベル
  2. ⚠️ヒ素・農薬:FDAが継続監視(乳児用ライスシリアルは無機ヒ素100ppb)。残留農薬も基準あり
  3. ⚠️籾・玄米・種子はAPHIS:植物検疫証明・輸入許可が要りうる(精米で送るのが原則)
  4. HTS分類:米は1006(精米1006.30は1.4¢/kg等)、餅・米菓は第19類
  5. デミニミス終了でまとめ輸入

通関〜発送はSLC(発送代行)、食品衛生の専門対応はFDA代行で対応できます。

精米=FDA:白米は食品としてFDA経路で輸入(登録・事前通知)。
籾・種子=APHIS:殻つき・種子用米は植物検疫(許可・証明書)。
無機ヒ素:FDAが米で監視。乳児用は100ppbのaction level。
HTS 1006:米の分類(精米1006.30)。餅・米菓は第19類。
💡 実務のワンポイント

米ならではの落とし穴が2つ。①『精米か、籾・種子か』で管轄が変わります。白米(精米)は食品としてFDA経路で輸入できますが、籾(殻つき)・玄米・種子用米は植物検疫でAPHISの許可・証明書が要りえます——日本から売るなら『精米で送る』が原則です。②FDAは米の無機ヒ素・残留農薬を継続監視しており、とくに乳児用ライスシリアルは無機ヒ素のaction level(100ppb)があります。乳児向けを扱うなら検査・選択的調達が必須。餅・煎餅は加工食品(HTS第19類)で米そのものとは別税率です。

よくある質問

精米と玄米で違う?
精米はFDA食品、籾・玄米・種子はAPHISの植物検疫対象になりえます。
ヒ素は問題になる?
FDAが監視し、乳児用ライスシリアルは無機ヒ素100ppbの基準があります。
関税は?
米はHTS 1006(精米1006.30は1.4¢/kg等)。餅・米菓は第19類です。
出典は?
USDA FASの米価レポート、FDAのヒ素ガイダンス、APHIS。
📘 用語ミニ解説
  • FSVP:外国供給者検証制度。
  • APHIS:米国農務省の動植物検疫。籾・種子が対象。
  • HTS 1006:米の分類。
🤝 むずかしく見えても、ここは任せられます

精米中心なら、食品の型で対応できます。FDA施設登録・事前通知・FSVP・英語ラベル・ヒ素/農薬の事前検査・HTS分類・通関まで、当社の発送代行(SLC)と食品分野のFDA代行が連携して代行。差し止めを避け、安心して米国に日本米を届けられます。

市場規模は調査会社で幅があります。規制はFDA/APHIS、関税はHTSの最新をご確認ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的とした見本です。金額はわかりやすさ優先のざっくり試算で、個別の通関・税務判断を保証しません。正確な税率・分類は各製品のHTSコードと最新の公式情報をご確認ください。