通関ルール

米国UFLPA(強制労働)取締り強化──差止16,755件・$37億、日本企業も無縁でない

2026年6月11日 | 出典:CBP・DHS(UFLPA運用統計)+当社(WorldShift)整理(通関ルール)

「自社は中国製ではない」——それでも止められることがある。米国のUFLPA(ウイグル強制労働防止法)は、新疆ウイグル由来が疑われる原料・部材を含む製品の輸入を差し止める。累計の差止は16,755件・約$37億(≒約5,920億円)。綿・ポリシリコン・アルミなどは日本製品にも入り込む。無縁ではいられない理由と、差止を避ける点検の手順をまとめた。

TOPIC
16,755件
UFLPA差止(累計〜2025/8)
↑強化
TOPIC
約$37億
差止貨物の価額(≒約5,920億円)
累計
TOPIC
144社
UFLPAエンティティリスト掲載
対象
TOPIC
82.8%
差止の中国由来比率
大半

UFLPAとは・なぜ日本企業に関係する?

UFLPAは、新疆ウイグル自治区(XUAR)に由来する産品は「強制労働で作られた」と推定し、原則として輸入を認めないという米国の法律です(反証可能な推定)。ポイントは「最終製品の製造国」ではなく「部材・原料の出所」で判断されること。

日本製品でも、綿(衣料)・ポリシリコン(太陽光)・アルミ・トマト加工品などにXUAR由来が混じれば差止の対象になりえます。だからこそサプライチェーンの遡及が要ります。(1ドル≒160円換算)

どんな製品が止まっている?

CBPの公表傾向では、電子機器(太陽光関連)が最多、次いで衣料・繊維・靴産業・製造資材自動車部品と続きます。差止の82.8%は中国由来です。

電子機器(太陽光関連)ポリシリコン由来
最多
衣料・繊維・靴新疆綿のリスク
多い
産業・製造資材アルミ等
自動車部品部材経由
増加

CBP公表の傾向(件数の多い順のイメージ)。正確な内訳は公式統計をご確認ください。

差止を避けるには:サプライチェーン点検の手順

輸出前に、次の順で点検しておくと安全です。

  1. リスク品目か確認:綿・ポリシリコン・アルミ・トマト等の高リスク原料を含むか
  2. エンティティリスト照合:取引先がUFLPAエンティティリスト(144社)に該当しないか
  3. 原料まで遡る:一次サプライヤーだけでなく原料の産地までトレース
  4. 証憑を整える:製造工程・原料調達の記録(トレーサビリティ資料)
  5. 反証資料を準備:差止時に「XUAR由来でない」と示せる書類一式
  6. 差止対応の体制:保留時の連絡・追加提出の段取り

米国向けの通関・発送の実務はSLC(発送代行)で対応できます。

UFLPA:ウイグル強制労働防止法。XUAR由来の産品の輸入を原則禁止する米国法。
反証可能な推定:XUAR由来は強制労働と推定され、明確な証拠で反証しない限り輸入不可。
エンティティリスト:強制労働に関与とされる企業の一覧(144社)。
トレーサビリティ:原料の産地まで遡って追跡できる記録。差止回避の要。
💡 実務のワンポイント

『中国製でない』証明より『XUAR由来でない』証跡を。原産国証明だけでは不十分で、綿・ポリシリコン等の原料の産地まで遡るトレーサビリティが要。サプライヤー宣誓書・製造記録を平時から揃えるのが差止時の最短復旧です。

よくある質問

日本で製造していれば大丈夫?
いいえ。製造国でなく原料・部材の出所で判断されます。XUAR由来の綿・部材が混じれば対象になりえます。
止められたらどうなる?
貨物が保留され、XUAR由来でないと反証できなければ輸入できません。証憑の準備が重要です。
どの品目が要注意?
太陽光(ポリシリコン)、衣料(新疆綿)、アルミ、トマト加工品などが高リスクです。
一次情報は?
CBPのUFLPA運用統計、DHSの2025年戦略更新。
📘 用語ミニ解説
  • UFLPA:ウイグル強制労働防止法。XUAR由来産品の輸入を原則禁止。
  • エンティティリスト:強制労働関与とされる企業の一覧。
  • CBP:米国税関国境警備局。差止・通関を担う当局。
🤝 むずかしく見えても、ここは任せられます

鍵は「部材の出所まで追えるか」。リスク品目の確認・取引先の照合・原料までのトレース・反証資料の準備を、当社の発送代行(SLC)が一緒に整えます。サプライチェーンを先に見える化しておけば、差止に怯えず取引を続けられます。

差止件数・金額・比率はCBP/DHS公表の概況(〜2025/8)。最新値は公式をご確認ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的とした見本です。金額はわかりやすさ優先のざっくり試算で、個別の通関・税務判断を保証しません。正確な税率・分類は各製品のHTSコードと最新の公式情報をご確認ください。