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米国がSection 232を再調整(6/8発効)──課税が『金属分のみ』→『製品の全額』に拡大、一方で農機・エアコン等は上限15%に減税(日本は上限15%)

2026年6月17日 | 出典:米大統領布告(2026/6/1)+CBP(CSMS #68253075)/White & Case・C.H.Robinson整理+当社(WorldShift)整理(関税)

アメリカの金属関税が、計算の土台から変わった。米政権は2026年6月1日の布告で、鉄鋼・アルミ・銅にかかるSection 232を再調整し、6月8日から発効した。最大の変更は課税ベースだ。これまで多くの派生品は「製品に含まれる金属の価額分」だけに課税されていたが、今後は「製品の全額(full customs value)」に課税される。一方で農業機械・住宅用エアコン(HVAC)・可搬式産業機械などは暫定的に上限15%へ引き下げられた。日本発の貨物は日米枠組みにより上限15%で頭打ちとなる点も重要だ。

TOPIC
6/8 発効
232再調整布告(2027/12/31まで)
再調整
TOPIC
全額課税へ
課税ベースが金属分→製品の全額に
TOPIC
農機/HVAC 15%
該当機械は25%→上限15%に減税
TOPIC
日本=上限15%
枠組みで頭打ち(2027/12/31まで)

何が変わった?──2つの大きな変更

2026年6月1日の布告(6月8日発効)には、輸入者に直結する変更が2つあります。

①課税ベースが「金属分のみ」→「製品の全額」へ。これまで多くの派生品は製品に含まれる鉄鋼/アルミ/銅の価額分だけに232がかかっていました。6月8日以降は、鉄鋼・アルミ・銅とその派生品は製品の全額(full customs value)に課税されます。つまり「金属価額を分けて申告して安く」という方法は使えなくなり、多くの派生品で実質負担が増えます。

②一部カテゴリは上限15%に減税。農業機械(コンバイン・収穫機等)・住宅用HVAC(エアコン・空調)機器・可搬式の産業機械などが、暫定的に上限15%の派生品カテゴリに加えられました(従来の25%から引下げ)。通常の鉄鋼・アルミ・銅および主要派生品の基本税率は50%(一部の銅・派生品は25%)のままです。

2026/6/1
大統領布告でSection 232を再調整
2026/6/8
全額課税へ変更+農機・HVAC等を上限15%に減税
2027/12/31
今回の暫定措置の期限(以降は通常率に復帰)

日本発は『上限15%』──50%との差

米国の232基本税率は鉄鋼・アルミ・銅で50%ですが、日米の枠組み合意により、日本を原産とする金属・派生製品合計15%を上限に頭打ちとなります(2026年6月8日〜2027年12月31日)。ただし課税ベースは製品の全額に変わったため、「15%」も製品全額に対してかかる点に注意してください。同じ品目でも、原産地が日本なら上限15%、他国なら最大50%という差が出ます。

だからこそ原産地の証明が、そのまま関税額を左右します。対象HTSの確認・原産地書類の整備・通関はSLC(発送代行)で対応できます。

課税のかかり方(最大の変更)
以前
製品に含まれる金属の価額分のみ
製品の全額(full customs value)
農機・HVAC・可搬式産業機械
以前
25%
上限15%(暫定・2027末まで)
日本産の金属・派生品
以前
他国産:最大50%
日本産:上限15%(全額ベース)
Section 232:安全保障を理由に米国が課す関税。鉄鋼・アルミ・銅とその派生製品が対象。
全額課税(full customs value):製品の全額に課税する方式。6/8以降は派生品も金属分でなく全額が対象。
日米枠組み合意:日本発の232を上限15%に抑える取り決め(2027/12/31までの暫定)。
💡 実務のワンポイント

今回いちばん効くのは『課税ベースの変更』。これまで多くの派生品は“製品に含まれる金属の価額分”だけに232が乗っていましたが、6/8以降は鉄鋼/アルミ/銅とその派生品は『製品の全額(full customs value)』に課税されます。つまり“金属分だけ分けて申告して安く”はもう使えません。逆に農業機械・住宅用エアコン(HVAC)・可搬式産業機械などは暫定で上限15%に下がったので、自社HTSがどちらに当たるかの確認が要点です。

よくある質問

『金属分だけ申告すれば安い』はまだ使える?
いいえ。2026年6月8日以降、鉄鋼・アルミ・銅とその派生品は『製品の全額(full customs value)』に課税されます。金属価額だけを分けて課税する方式は終了しました。
エアコンや農機は50%かかる?
いいえ。今回の布告で農業機械・住宅用HVAC・可搬式産業機械などは暫定的に上限15%へ引き下げられました(従来25%)。自社HTSが該当するかの確認が要点です。
日本発なら15%で済む?
日米枠組みにより、日本原産の金属・派生品は上限15%です(2026/6/8〜2027/12/31)。ただし課税は製品全額ベースで、原産地の証明が前提になります。
一次情報は?
2026年6月1日の米大統領布告と、CBPの指示(CSMS #68253075)・各法律事務所の解説です。最新は布告とCBP公式をご確認ください。
📘 用語ミニ解説
  • 232の全額課税:6/8以降、派生品も金属分でなく製品の全額に課税。
  • 暫定15%カテゴリ:農機・HVAC・可搬式産業機械等。25%から上限15%に減税(2027末まで)。
  • 原産地証明:日本産であることを示す書類。上限15%適用の前提。
🤝 むずかしく見えても、ここは任せられます

やることは『自社HTSが今回の減税カテゴリ(農機/HVAC/産業機械)か、それとも50%/25%の通常派生品か』の確認と、『製品全額ベースでの関税再計算』の2つ。日本発は枠組みで上限15%に頭打ちなので、原産地を証明できれば50%課税は基本ありません。対象判定〜原産地書類〜通関は当社の発送代行(SLC)が代行します。

課税ベース・税率・適用期間は2026年6月時点の概況。最新は米大統領布告とCBP(CSMS)公式をご確認ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的とした見本です。金額はわかりやすさ優先のざっくり試算で、個別の通関・税務判断を保証しません。正確な税率・分類は各製品のHTSコードと最新の公式情報をご確認ください。