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米国の『一律10%上乗せ(Section 122)』──CIT違法判断もFederal Circuitが差止停止で徴収継続、7/24失効予定(上限は15%)

2026年6月18日 | 出典:米大統領布告(2026/2/20)+CIT判断(2026/5/7)+連邦巡回控訴裁(Federal Circuit)の差止停止(2026/6/11)+各法律事務所整理+当社(WorldShift)整理(関税)

アメリカの「全部に少しずつ上乗せ」関税が、いま効いている。米政権は2026年2月20日、最高裁がそれまでのIEEPA関税(日本への相互関税を含む)を無効としたことを受け、その代替として、ほぼすべての輸入品に一律の上乗せ関税(Section 122)を導入した。適用率は一律10%(法定上限は15%だが、実際に適用されているのは10%)。米国際貿易裁判所(CIT)はこれを違法と判断(5/7)したが、連邦巡回控訴裁(Federal Circuit)が6/11に差止を停止し、CBPは徴収を継続中だ。措置は法律上最長150日2026年7月24日に失効する見込み(延長は議会次第)。日本発を含む全輸入に国を問わず同率で効き、価格設計に直結する。

TOPIC
一律10%
実際の適用率(法定上限は15%)
適用率
TOPIC
2026/2/24
Section 122の上乗せ開始(当初10%)
TOPIC
6/11 差止停止
Federal Circuitが停止→徴収継続
TOPIC
7/24 失効?
法定150日で期限(延長は議会次第)

Section 122とは?何が起きている?

Section 122は、米国の国際収支問題に対処するため、大統領が最長150日・上限15%の一律上乗せ関税を課せる仕組みです。2026年2月20日、最高裁がそれまでの相互関税(IEEPAが根拠。日本への上乗せもこれ)を無効としたため、政権はその代替として導入しました。率は当初10%で発動し、ただし15%は法定上限(cap)で、布告本文(「10 percent ad valorem」)もCIT判決文も適用率は10%としており、適用は一律10%2月24日からほぼ全ての輸入品に上乗せされています。

150日を超える延長は議会しかできず、2026年7月24日に失効する見込みです(延長は不透明)。米国際貿易裁判所(CIT)5/7にこの122関税を違法と判断しましたが、連邦巡回控訴裁(Federal Circuit)が6/11にその差止を停止(stay)し、現時点ではCBPが徴収を継続しています(政府が控訴で勝つ可能性が高いとされる)。

2026/2/24
Section 122の一律上乗せ開始(当初10%)
2026/5/7
CITが違法と判断
2026/6/11
Federal Circuitが差止を停止→10%の徴収継続
2026/7/24
法定150日で失効の見込み(延長は議会次第)

日本の輸出者はどう動く?

ポイントは「通関する日」です。失効予定でも、いま通関する貨物には一律10%が乗ります(15%は法定上限で適用率ではない。CITの違法判断はFederal Circuitが一旦止め、徴収は継続中)。

  1. いまの価格:当面は一律10%上乗せ込みで原価・販売価格を設計
  2. 通関タイミング:急ぎでない貨物は、失効後に引取れるよう船積み・通関日を調整(在庫を切らさない範囲で)
  3. 確定後に戻す:失効が確定したら、上乗せ分を価格から外す。延長・訴訟の動きは継続ウォッチ

日付をまたぐ貨物の通関タイミング管理や価格の戻しはSLC(発送代行)で一緒に管理できます。

いま通関する貨物
以前
一律10%が上乗せされる(上限15%)
その前提で価格設計が必要
失効後に通関(見込み)
122の上乗せは無し(延長・控訴で変動あり)
Section 122:国際収支対策で課す一律の上乗せ関税。最長150日・上限15%(実際の適用率は一律10%)。
CIT:米国際貿易裁判所。関税の適法性を争う裁判所。
失効(sunset):法定期間の満了で措置が自動的に終わること。
💡 実務のワンポイント

いま米国へ出す貨物には一律10%が乗ります。15%はSection 122の法定上限(cap)で、実際の適用率ではありません(布告本文も『10 percent ad valorem』)。CITは違法と判断しましたが、2026/6/11にFederal Circuitが差止を停止し、CBPは10%の徴収を継続中。7/24に失効予定ですが延長・訴訟で動くため、当面は10%込みで価格設計を。急ぎでない貨物だけ失効後の通関に寄せる手はありますが、断定は禁物です。

よくある質問

7/24で必ず無くなる?
法律上150日で失効する見込みですが、議会の延長や控訴審の結果で変わり得ます。CITの違法判断もFederal Circuitが6/11に止めており、当面は徴収が続きます。上乗せ込みで設計するのが安全です。
日本発も対象?
はい。Section 122は国を問わずほぼ全ての輸入に同率(一律10%)で上乗せされるため、日本発も対象です。2025年の日米合意にあった『日本に15%』の相互関税は、根拠のIEEPA関税が2026年2月に最高裁で無効とされ、このSection 122(国別差別のない一律)に置き換わっています。
率は10%?15%?
適用率は一律10%です。15%はSection 122の法定上限(cap)で、実際の適用率ではありません(布告本文は『10 percent ad valorem』、5月のCIT判決文も『the 10% surcharge』)。6/11のFederal Circuitは差止の停止=徴収を続ける判断で、税率を15%に上げたわけではありません。なお自動車・鉄鋼など別枠のSection 232関税(鉄鋼・自動車などで別途課税)は122とは別制度です。
CITが違法と言ったのに、なぜ払う?
CITは5/7に違法としましたが、Federal Circuitが6/11にその差止を停止(stay)したため、控訴審の結論が出るまでCBPは徴収を継続します。最終的に違法が確定すれば還付の議論になり得ます。
一次情報は?
米大統領布告(2026/2/20)、CIT判断(5/7)、Federal Circuitの差止停止(6/11)と各法律事務所の解説です。最新はCBP公式をご確認ください。
📘 用語ミニ解説
  • 一律上乗せ関税:品目を問わずほぼ全輸入に同率で乗る追加関税。
  • 150日ルール:Section 122は大統領単独では最長150日までという制限。
  • 通関日基準:上乗せの有無は『いつ通関したか』で決まる。
🤝 むずかしく見えても、ここは任せられます

やることはシンプルで、「いま出す貨物には一律10%が乗る」前提で価格を組むこと。CITの違法判断はFederal Circuitが一旦止めたので、当面は徴収が続きます。失効・確定後の価格戻しや、日付をまたぐ貨物の通関タイミングは当社の発送代行(SLC)が一緒に管理します。情報を追いきれなくても、止めず・取りこぼさず対応できます。

Section 122の適用率は一律10%(布告本文「10 percent ad valorem」・5月CIT判決文ベース)。15%は法定上限(cap)で適用率ではない。CITは5/7に違法判断、Federal Circuitが6/11に差止を停止しCBPは10%徴収を継続(控訴審係属中)。状況は2026年6月18日時点で延長・判決により変わり得ます。最新はCBP公式をご確認ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的とした見本です。金額はわかりやすさ優先のざっくり試算で、個別の通関・税務判断を保証しません。正確な税率・分類は各製品のHTSコードと最新の公式情報をご確認ください。