
米国の『一律10%上乗せ(Section 122)』は失効(2/24〜7/24の150日間)──後継は強制労働Section 301、日本はMFN込み合計12.5%へ
アメリカの「全部に少しずつ上乗せ」関税は、150日で幕を閉じた。米政権は2026年2月20日、最高裁がそれまでのIEEPA関税(日本への相互関税を含む)を無効としたことを受け、その代替として、ほぼすべての輸入品に一律の上乗せ関税(Section 122)を導入した。適用率は一律10%(法定上限は15%だが、実際に適用されたのは10%)。米国際貿易裁判所(CIT)はこれを違法と判断(5/7)したが、連邦巡回控訴裁(Federal Circuit)が6/11に差止を停止し、CBPは徴収を続けた。そして措置は法律上の最長150日を使い切り、2026年7月24日(米国東部時間 午前0時1分)に失効した(議会は延長せず)。同日、後継として強制労働を理由とするSection 301関税が発効し、日本原産品は通常関税(MFN)と合計して12.5%になる方式へ切り替わっている(MFNが12.5%以上なら301はゼロ/→新制度の解説)。
Section 122とは?何が起きた?
Section 122は、米国の国際収支問題に対処するため、大統領が最長150日・上限15%の一律上乗せ関税を課せる仕組みです。2026年2月20日、最高裁がそれまでの相互関税(IEEPAが根拠。日本への上乗せもこれ)を無効としたため、政権はその代替として導入しました。率は15%は法定上限(cap)で、布告本文(「10 percent ad valorem」)もCIT判決文も適用率は10%としており、適用は一律10%。2月24日からほぼ全ての輸入品に上乗せされました。
米国際貿易裁判所(CIT)は5/7にこの122関税を違法と判断しましたが、連邦巡回控訴裁(Federal Circuit)が6/11にその差止を停止(stay)し、CBPは徴収を継続。そして150日を超える延長ができるのは議会だけでしたが延長はされず、2026年7月24日(米国東部時間 午前0時1分)に法定失効しました。同日、後継として強制労働を理由とするSection 301関税が発効しています(→article_202)。違法かどうかを争う控訴審はFederal Circuitに係属中で、失効後も還付を巡る争点は残っています。
日本の輸出者はどう動く?──122後の整理
ポイントは2つ。「いま通関する貨物に122は乗らない」ことと、「期間中に払った10%の還付権を守る」ことです。
- いまの価格:7/24以降に通関する貨物に122の10%は乗りません。代わりに強制労働Section 301が乗り、日本原産品は通常関税(MFN)と合計して12.5%になる方式です(MFNが12.5%以上なら301はゼロ。Section 232対象品・免除品目は対象外。詳細→article_202)
- 期間中(2/24〜7/24)に払った10%は180日以内の異議申立(protest)で還付権を保全:すでに納めた分は自動では戻りません。貨物が清算(liquidation)された日から180日以内にCBPへ異議申立(protest)を出しておかないと、将来違法確定しても還付を受けられません(19 U.S.C. §1514)。“念のため出しておく”のが定石です(対象entryの特定・手続きは通関士・専門家と)
- 訴訟ウォッチ:違法かどうかの控訴審はFederal Circuitに係属中。結論次第で還付の枠組みが動くため、継続ウォッチ
還付権の期限管理や、現行制度を前提にした価格設計・通関はSLC(発送代行)で一緒に管理できます。
Section 122の一律10%は2026年2月24日から7月24日までの150日間課され、法定期限の満了で失効しました(議会は延長せず)。いま米国へ出す貨物に122は乗りません。代わりに7/24からは強制労働を理由とするSection 301が発効し、日本原産品は通常関税(MFN)と合計して12.5%になる方式です(MFNが12.5%以上なら301はゼロ/→article_202)。期間中に払った10%の還付は自動ではなく、清算から180日以内の異議申立(protest)で権利を保全しておくのが定石です。
よくある質問
- 一律上乗せ関税:品目を問わずほぼ全輸入に同率で乗る追加関税。Section 122は2/24〜7/24の150日間適用された。
- 150日ルール:Section 122は大統領単独では最長150日までという制限。この満了で7/24に失効した。
- 通関日基準:上乗せの有無は『いつ通関したか』で決まる。7/24以降の通関に122は乗らない。
Section 122の期間中(2/24〜7/24)に払った10%は、控訴審(Federal Circuit)で違法が確定すれば還付の議論になり得ます。そのための異議申立(protest)の期限管理と、現行制度(強制労働Section 301・日本は合計12.5%)を前提にした価格設計・通関は、当社の発送代行(SLC)が一緒に管理します。制度が切り替わっても、止めず・取りこぼさず対応できます。
- Section 122 Global Surcharge Set to Expire July 24 by Operation of Law(Nakachi Eckhardt & Jacobson, 2026/7/4)
- Notice of Actions in Section 301 Investigations(Federal Register 文書番号2026-15181・2026/7/28掲載)
- Federal Circuit Stays Section 122 Tariff Injunction(International Trade Insights, 2026/6/11)
- US Trade Court Strikes Down Section 122 Tariffs(Skadden, 2026/5)
- Court of International Trade Rejects 10% Section 122 Tariff — protest to preserve refunds(Ward and Smith, 2026)
- Supreme Court strikes down IEEPA tariffs(SCOTUSblog, 2026/2/20)

