米CPSC、乳幼児のネックフロートに初の連邦基準 26年6月施行
試験・認証は、完成品サンプルを提出した事業者に限り26年8月16日まで猶予

米消費者製品安全委員会(CPSC)は2026年6月15日、乳幼児用のネックフロート(首用浮き輪)にかかる連邦として初めての強制安全基準を施行した。おぼれる事故を防ぐため、玩具の安全規格(ASTM F963)に性能と表示の要件を上乗せする。児童製品として、第三者試験と児童製品証明書(CPC)も求められる。
基準そのものは2026年6月15日に施行された。一方、第三者試験と認証の期限は、完成品のサンプルをCPSCに提出した事業者に限り、60日延びて2026年8月16日となった。認定を受けた試験所が足りないことが延長の理由だ。
首にはめて水に浮かせる用品を米国へ送る事業者は、自社の品が対象に当たるかをまず確かめる必要がある。
対象は4歳以下向けのネックフロート
新しい基準は、連邦規則の16 CFR 1250.5に置かれた。CPSCのこの規則が対象とするのは、4歳以下向けのネックフロートだ。首にはめて、子どもを水に浮かせる用品を指す。
基準は、これまでの玩具の安全規格であるASTM F963に上乗せされる。加わるのは、おぼれる事故を防ぐための性能と表示の要件だ。たとえば、想定する耐荷重に対して一定の割合以上の浮力を確保すること、水に沈めた後の浮力の下がり方に上限を設けることなどが含まれる。
ネックフロートは児童製品に当たる。このため、CPSCが認定した試験所での第三者試験と、その結果に基づく児童製品証明書(CPC)が必要になる。
試験・認証は26年8月16日まで猶予
CPSCは2025年12月15日に最終規則を公表し、2026年6月15日に施行した。
試験と認証の期限だけは別に延ばされた。延長を受けられるのは、販売する予定の完成品のサンプルをCPSCに提出した事業者に限られる。認定を受けた試験所が足りないことが理由だ。
| 項目 | 何が、いつ |
|---|---|
| 最終規則 | CPSCは、2025年12月15日に、最終規則を公表した。 |
| 基準の施行 | 新しい基準(16 CFR 1250.5)は、2026年6月15日に施行された。 |
| 第三者試験・認証の期限 | 完成品のサンプルをCPSCに提出した事業者は、第三者試験と認証の期限が60日延び、2026年8月16日までとなった。 |
延長は、完成品のサンプルをCPSCに提出した事業者が対象。理由は認定試験所の不足。
使用中止の警告も改めて
基準に合わない品は、リコールや「使用中止」の警告の対象になりうる。CPSCは基準の施行にあわせ、Otteroo製のネックフロート「LUMI」「MINI」について、使用中止の警告を改めて出した。
輸出者・Amazon出品者の手順
日本から米国へネックフロートを送る事業者や、米国Amazonの出品者が進める手順は次のとおりだ。
- 対象かを確かめる。自社の品が、4歳以下向けのネックフロートに当たるかを確認する。
- 第三者試験を受ける。CPSCが認定した試験所で、新しい基準とASTM F963の両方の試験を受ける。
- CPCを作る。試験の結果に基づき、児童製品証明書(CPC)を用意する。
- 表示を直す。警告表示とラベルを、新しい要件に合わせる。
- 通関の手続きを整える。米国税関のシステム(ACE)で、CPSCの証明書データを電子で申告する手続き(eFiling)を用意する。
試験所の手配が最初の関門
乳幼児向けのネックフロートを米国へ送る事業者にとって、今回の基準は「試験と証明書がそろわないと売れない」ことを意味する。性能と表示の要件は2026年6月15日から求められている。猶予があるのは第三者試験と認証だけで、それも完成品のサンプルをCPSCに提出した事業者に限られる。
対応は次の順で考える。まず、扱う品が4歳以下向けのネックフロートに当たるかを確かめる。当たるなら、CPSCが認定した試験所を早めに押さえる。延長の理由が試験所の不足である以上、当社は、試験の予約そのものに時間がかかるとみている。試験の結果が出たら、それに基づいて児童製品証明書(CPC)を作り、警告表示とラベルを新しい要件に合わせる。
通関では、証明書のデータを電子で申告する手続き(eFiling)も求められる。試験・証明書・表示・通関書類の4つを1つの流れとして準備すると、出荷の直前で止まるのを避けやすい。基準に合わない品はリコールや使用中止の警告の対象になりうるため、米国Amazonで売る場合も、出品の前に試験の成績書をそろえておきたい。
(ワールドシフト編集部)
キーワード解説
- ネックフロート(neck float):乳幼児の首にはめて水に浮かせる用品。首用浮き輪とも呼ぶ。おぼれる事故や首への負担が問題視されてきた。
- 16 CFR 1250.5:今回新たに設けられた、ネックフロートにかかる連邦の強制安全基準の条項。
- ASTM F963:米国の玩具の安全規格。今回の基準は、これに上乗せされる。
- 児童製品(Children's Product):主に12歳以下向けの製品。第三者試験と児童製品証明書(CPC)が必要になる。
- 児童製品証明書(CPC):試験の結果に基づき、子ども向けの製品が基準に適合することを示す証明書。英語では Children's Product Certificate。
- 第三者試験:CPSCが認定した試験所で受ける試験。児童製品の適合を証明するために欠かせない。
Q&A:よくある質問
- 米国のネックフロート(首用浮き輪)の安全基準は、いつから守る必要がありますか?
- 基準そのものは2026年6月15日に施行されました。第三者試験と認証の期限は、完成品のサンプルをCPSCに提出した事業者に限り、2026年8月16日まで延びています。
- 米国のネックフロートの安全基準(16 CFR 1250.5)は、普通の浮き輪も対象ですか?
- 対象は、4歳以下向けの、首にはめるネックフロートです。用途と対象年齢で判断されます。
- 米国Amazonでネックフロートを売るには、何が必要ですか?
- CPSCが認定した試験所での第三者試験と、児童製品証明書(CPC)が前提です。基準に合わない品は、出品停止やリコールのおそれがあります。
- 米国のネックフロートの試験・認証の期限が延びたのはなぜですか?
- 認定を受けた試験所が足りないためです。延長を受けられるのは、販売する予定の完成品のサンプルをCPSCに提出した事業者に限られます。
- 米国のネックフロートの安全基準について、一次情報はどこですか?
- 連邦官報の最終規則(16 CFR Part 1250)と延長の告知(文書番号2026-09977)、CPSCのニュースリリースです。記事末尾の出典からご確認いただけます。




