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米国の包装EPR、7州で法制化 26年から登録・手数料が順次

オレゴンは25年7月、コロラドは26年1月から手数料。時期は州ごとに違う

米国の7州が、包装材のリサイクル費用を事業者に負担させる法律を定めた(画像はイメージ)

米国で、包装材のリサイクル費用を事業者に負担させる包装EPR(拡大生産者責任)が、実際に手数料を払う段階に入りつつある。メイン・オレゴン・コロラド・カリフォルニア・ミネソタ・メリーランド・ワシントンの7州が包括的なEPR法を定め、2026年から州ごとに登録・報告・手数料の義務が順次始まる。責任を負うのはまずブランド主で、ブランド主に米国拠点が無い場合は輸入者や流通業者に移る。

全州が同じ時期に動くわけではない。手数料は、オレゴンが2025年7月から、コロラドが2026年1月から求めている。カリフォルニアは2027年から手数料が始まる。

日本のブランドが米国法人を持たない場合は、米国側の輸入者が対象になり得る。一方で、多くの州には売上や包装のトン数が小さい事業者を外す決まり(小規模除外)がある。

包装EPRとは 包装材のリサイクル費用を事業者に

EPR(拡大生産者責任)は、商品の包装材のリサイクル費用を、自治体ではなく事業者に負担させる仕組みだ。対象は箱・袋・緩衝材・容器などの包装材で、負担するのはその包装を市場に出した事業者(プロデューサー)になる。

米国では7州が法律を定め、実施の段階に入った。プロデューサーに求められることは3つある。州のプロデューサー責任団体(PRO)に登録するか、個別の計画を出すこと。対象の包装材のデータを報告すること。手数料を払うことだ。

PROは登録と手数料の窓口になる団体で、米国では Circular Action Alliance が代表的な団体だ。

州ごとに違う、2026年と27年の日程

法律事務所の解説と Circular Action Alliance の案内では、主な州の日程は次のとおりだ。

包装EPRの主な日程(州ごと)
州何が、いつ
コロラドコロラドでは、2026年1月から、手数料の支払いが義務になった。
オレゴンオレゴンでは、2026年5月が、2025年分の包装材のデータを報告する期限だ。
オレゴンオレゴンでは、2026年7月に、2年目の手数料を支払う。支払いは2025年7月に始まった。
カリフォルニアカリフォルニアでは、2027年1月に、プログラムが始まる。
カリフォルニアカリフォルニアでは、2027年に、手数料が始まる。初回のプラスチック汚染緩和費は2027年3月の予定だ。
ミネソタミネソタでは、2025〜2026年に、プロデューサーが登録する。
ミネソタミネソタでは、2027〜2028年に、PROが本格的に動き出す。

メイン・メリーランド・ワシントンも、法律を定めた7州に入る。施行と手数料の時期は州ごとに異なるため、各州の法律とPROの案内で最新の日程を確かめる必要がある。

責任はブランド主、米国拠点が無ければ輸入者

誰がプロデューサーになるかには順番がある。まずはブランド主(メーカー)が責任を負う。ブランド主に米国拠点が無い場合は、次に輸入者や流通業者へ責任が移る。

日本のブランドが米国法人を持たない場合、米国側の輸入者が対象になり得る。日本から米国へ売る事業者は、自社のブランドの商品を米国で誰が輸入しているかで、負担する相手が変わることになる。

対象判定から手数料まで 5つの手順

包装を伴う商品を米国で売る場合、EPRへの対応は次の順で進む。

  • 対象判定。自社がプロデューサーに当たるかを確かめる。責任はブランド主が先で、ブランド主に米国拠点が無ければ輸入者や流通業者に移る。
  • 小規模除外の確認。多くの州に、売上や包装のトン数の下限がある。まず自社が除外に当たるかを見る。
  • 登録。対象なら、州のPRO(Circular Action Alliance など)に登録するか、個別の計画を出す。
  • データの報告。市場に出した包装材の種類と量を報告する。
  • 手数料の支払い。報告にもとづく手数料を払う。リサイクルしやすい設計だと手数料が安くなる州もある。

施行・手数料の時期と小規模除外の基準は州ごとに異なる。最新の条件は各州の法律とPROの案内で確かめる必要がある。

解説

まず「誰がプロデューサーか」と小規模除外を確かめる

日本から米国へ売る事業者にとって、包装EPRの最初の論点は「誰が払うのか」だ。責任はブランド主が先で、ブランド主に米国拠点が無ければ輸入者や流通業者に移る。米国法人を持たない日本のブランドの場合、米国側の輸入者が対象になり得る。自社が直接払う立場か、取引先の輸入者が払う立場かで、やるべきことは変わる。

動く順番は次のとおりだ。まず、売る州の小規模除外に当たるかを確かめる。多くの州に売上や包装のトン数の下限があり、対象外になる事業者も少なくない。除外に当たらなければ、自社と輸入者・流通業者のどちらがプロデューサーになるかを取引先と確かめる。そのうえで、PROへの登録か個別の計画を出し、包装材の種類と量を報告する。

当社は、報告に備えて、米国に出す商品の箱・袋・緩衝材・容器の種類と量を今のうちに把握しておくと、後の作業が楽になるとみている。手数料がリサイクルしやすい設計で安くなる州もあるため、包装の見直しが費用に関わる可能性もある。ただし時期と基準は州ごとに違う。オレゴン(2025年7月から)やコロラド(2026年1月から)のように手数料がすでに始まった州と、カリフォルニアのように2027年からの州がある。最新の条件は各州の法律とPROの案内で確かめたい。

(ワールドシフト編集部)

キーワード解説
  • EPR(拡大生産者責任):包装材のリサイクル費用を、その包装を市場に出した事業者が負担する制度。
  • プロデューサー:EPRで責任を負う事業者。ブランド主が第一で、ブランド主に米国拠点が無ければ輸入者・流通業者に移る。
  • PRO(プロデューサー責任団体):プロデューサーの登録と手数料の窓口となる団体。
  • Circular Action Alliance:米国の主要なプロデューサー責任団体(PRO)。
  • 小規模除外:売上や包装のトン数が下限に満たない事業者を、EPRの対象から外す決まり。基準は州ごとに異なる。
Q&A:よくある質問
米国の包装EPR(拡大生産者責任)とは何ですか?
商品の包装材(箱・袋・緩衝材・容器)のリサイクル費用を、自治体ではなく、その包装を市場に出した事業者(プロデューサー)に負担させる制度です。プロデューサーには、PROへの登録か個別計画の提出、包装材のデータ報告、手数料の支払いが求められます。
米国で包装EPRを法制化したのはどの州ですか?
メイン・オレゴン・コロラド・カリフォルニア・ミネソタ・メリーランド・ワシントンの7州です。施行や手数料の時期は州ごとに異なります。
米国の包装EPRで、2026年に手数料が発生するのはどの州ですか?
オレゴンは2025年7月から、コロラドは2026年1月から手数料が求められています。オレゴンは2026年7月にも手数料を支払います。カリフォルニアは2027年から手数料が始まり、ミネソタは2025〜2026年に登録、PROの本格稼働は2027〜2028年です。
日本のブランドが米国法人を持たない場合、包装EPRの費用は誰が負担しますか?
責任はまずブランド主ですが、ブランド主に米国拠点が無い場合は輸入者・流通業者に移ります。米国法人が無いと、米国側の輸入者が対象になり得ます。
日本の小さな出品者も米国の包装EPRの対象になりますか?
対象外になることが少なくありません。多くの州に売上・包装トン数の「小規模除外」があるためです。まず自社が対象(プロデューサー)に当たるかを確かめることが第一歩です。
米国の包装EPRの対象になったら、何をすればよいですか?
州のPRO(Circular Action Alliance など)に登録するか個別計画を出し、市場に出した包装材の種類と量を報告し、報告にもとづく手数料を支払います。リサイクルしやすい設計だと手数料が安くなる州もあります。
米国の包装EPRの一次情報はどこで確かめられますか?
各州のEPR法、法律事務所の解説、Circular Action Alliance の案内です。記事末尾の出典からご確認いただけます。最新は各公式をご確認ください。
出典本記事は、法律事務所(Proskauer、O'Melveny)の解説と Circular Action Alliance の案内をもとに、当社(WorldShift)が米国の包装EPRの動きを整理したものです。施行・手数料の時期と小規模除外の基準は州ごとに異なります。最新は各州法・PROの案内をご確認ください。EPRの対象判定、小規模事業者の適用除外判定、PROへの登録・報告等については、各州の制度やPRO等をご確認ください。「解説」は当社(WorldShift)の意見で、EPRの対象か否かや手続きの結果を保証するものではありません。

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